2016年 03月 04日
治乱興亡は今もなお |
吉川英治 著 『三國志』全 10 巻のうちの第1巻「桃園の巻」
株式會社 六興出版部(1956 年6月 20 日 第1巻・初版発行)
私は、1961 年3月にオホーツク管内の片田舎の高校を卒業し、 4月に札幌の大学に入学したポッと出の山猿で、初めての都会での生活は、驚きと喜びと不安に満ちあふれていた。
高校があった町の小さな書店では、学習参考書しか買っていない。札幌で当時一番の書店・丸善の大きな店舗には目がくらんだ。ここで本を買うのは、私にとってとてつもない冒険だった。
講義用教科書を除き、入学して最初に買ったのが、吉川英治の『三國志』である。中学時代に学校の図書室で、子供向けの翻案を読んでいたから、丸善の書棚で本物を見つけた感動と、レジで代金を支払った緊張は、今でも鮮やかに蘇る。
by kustak2nd
| 2016-03-04 19:08
| 教養文化